失くすということ

先日、お気に入りの鍼をどこかで失くしました。
色々と感じたので、今日はそのお話です。

その鍼は自分が企画した特注の鍼です。
その鍼は、肌に触れるだけの鍼なので、消毒すれば何度でも使えます。通常の鍼は、刺して使用するので使い捨て(医療廃棄物)で使用しますが、銀でできているので、毎回それを捨てるのはもったいないと感じてました。そこで、鍼体の部分(刀で言うと刃の部分)だけを切り離し、リサイクルを企画しました。通常の鍼1000本で約10gの銀の素材になりました。
Structure of a needle
それを東京芸大卒の旧友(cometmanのギャラリー)にお願いし、融解→鋳造→鍛造→研削を経て、一本の鍼にしてもらったものです。
その仕上がりの技巧に、やはりプロは違うなという仕上がりでした。
needlle

needle

needle

素材自体はすべて自分が一度使った鍼であり、1000人治療した実績でもあります。
そんな思い入れのある鍼だったのです。

往診に行き、往診バックを開けてみたら、その鍼がない事に気づきました。
まあ、どこかにあるだろうと思い、その場は治療に集中したのですが、
治療院に戻ってみて青ざめました。
どこにもない。。。
急いで思い当たる方々に連絡をしてみましたが見つかりませんでした。急に失くなったので、まだどこか自分の近くにある感じが常にしていて、どこかにポンと置いてあるような気がしてなりませんでした。ワクワクするときに感じる部分(肩甲骨内縁,ツボでいうと膏肓のあたり?)がものすごく気分が悪くうずき、朝早くに目が覚めてしまい、眠れません。
そこまで気に入っていたのか、と改めて気づきました。

心配した伴侶が話を聴いてくれて「苦楽を共に歩んできた戦友がいなくなり、悲しいよね」と言われた後、涙が出ました。その時、感じていたうずき感は悲しみだったのかとやっと、気づきました。
今ある(あることが当たり前の)存在は、本当はとてもありがたい存在であるのに、一度失うということでしか、そのことを再確認できなかった、気づけなかった、自分の立ち位置をも見失っていた自分がそこにいました。「失う」という事の重要さ、今、あるという存在に感謝を感じた体験でした。

その後、なんと戦友は生きていました!!
東京へ治療に行った際、東京の治療院で落としていたらしく、保護されておりました。
本当に良かった~♪
これからもよろしくな!戦友!という感じです!(^^)!

iga について

はじめまして。 喜絡堂の院長をしております伊賀秀文です。 これも何かのご縁ですね。 その季節ごとに旬の話題を提供していけたらと思っております。
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